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うまくいかなくなった時に思い出すべき言葉 - 20歳のときに知っておきたかったこと (ティナ・シーリグ)

ほとんどの人は、つねに右肩上がりでなければならない、時間の経過とともに一直線に成功しなければならない、と思いこんでいます。ですが、この考え方は非現実であると同時に、人を縛るものです。
p.105

20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義
ティナ・シーリグ
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 これは、事業(仕事)、人生、恋愛、結婚など、全てに言える言葉だと思う。そして、様々な意味が込められているように感じる。

目標へは、当初思い描いたような最短距離では到達できない事のほうが当然

 普通に考えて、未来永劫すべての物事が上手くいくなんて事はありえない、というのは想像できる現実だ。目標地点があって、自分のイメージした道を歩いていても、自分だけの世界ではないのだから何かしら不確定な要素が介入してくる。そうした時、足止めを食らったり、考えていた道とは違う迂回ルートを検討する事になったり、道を引き返すか、最悪目標を変更せざるを得ない。でもそれは当然のことなんだよいう意味が込められている。

やり方や成長への道は人それぞれ

 このようなやり方をしなければ成功できない、成功者はこうだから自分もこうしなきゃいけない、こういったある種の思考停止状態を戒める言葉でもある。先人たちのやり方から学ぶ事はあっても、完全にそれらをトレースするような生き方は、そこから外れたときに絶望や挫折を味わうことになる。そしてもうダメだとなって立ち上がれなくなってしまう。いざというときは、こういったものに縛られず、自分で考えて行動するようにという意味もあるように感じる。

たまには立ち止まって現状を見直し、充填期間をもつことも必要

 例えば右肩上がりの売上が見込めなかったとしても、社内インフラの整備やセキュリティー対策に力を入れるなどといった期間も必要だ。毎月の預金を今月だけは家族の慰安の為に使うといった裁量もあって良い。そのほうが貯金が貯まるよりも長く見たときには幸せかもしれない。無理をしてでも右肩あがりの目標を維持するのが正しいかどうか考える必要がある。

 それを裏付けるように、そういった停滞や落ち込みの後に、以前よりも急角度で成長するケースが実際には多いと本書では述べられている。もちろん「今の落ち込みは成長する為の予兆だ!」などと、短絡的に結びつけるのはどうかと思うが…。やるべき事はやらなければならないし、ちゃんと現実を見て分析は行う。結果が直ぐにでるものと出ないものがあるという話だ。

キャリア形成とはピラミッドを登るようなもの

 辛い時期というものがあってもそんなの当たり前。今は辛いかもしれないが必ず道は開ける。今の辛い経験がむしろ糧になるかもしれない。 CADや、Maya/Maxといった3Dモデリングツールで有名なAutodeskの元CEO、そして現YahooのCEOであるCarol Bartz(キャロル・バーツ)は、『キャリアは梯子ではなくて、ピラミッドを登るようなもの。』と言う。梯子を一段一段登るのではなく、ピラミッドのようにまず土台を築き、少しづつ高くして登っていくという事だ。土台の石をしっかりと、そして多く並べることでより高くてしっかりとしたピラミッドができるのだ。

 たしかに、土台を3つ並べるのは、5つ並べるよりも時間は短いし楽だ。しかし5つ並べたほうは、より高いピラミッドを形成することができる。

そこまで言っといてなんだけど

 まあでも本当に先の見通しがなくて辛い時ってのはあるわけで、そんな時は「今の落ち込みは次の機会に絶対にプラスになる!」ってのを、やや宗教的にでも信じたほうがいい時もあるとおもう。ただそれはあくまで自分の心に作用するもので、現実的に無策である事には変りない。逆説的かもしれないけど、無策である事を認めて、だからなんだと開き直るくらいの事も人生にはあってよいと思う。時間が解決してくれる事だってある。すべてが段取り通りに事が運ぶわけじゃない、人生なにがあるかわからんっという身も蓋もない話になってしまうのだが…。